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騎装閃士エーデルリッター 第1話「騎士の本分」 前編

おまたせしました!

更新期間があいて申し訳ありません!


~あらすじ~
素体狩りをするアクノスの拉致部隊。
可愛らしい少女を屋上へと追い詰めた、その時!!!

ババババァァァァァン!!!!!!

ああ… 始末書だな、こりゃ…


それでは、

騎装閃士エーデルリッター 第1話
 
    「騎士の本分」 ①


はじまり、はじまり~


騎装閃士エーデルリッター
第1話「騎士の本分」


 世界制覇、侵略を目的とする組織の暗躍、異形の怪生や怪物の横行。
治安が優れていると言われる日本でも例外ではなくその驚異に晒されている今日。
警察、そして自衛隊でさえ補えない暗部に対処する為に、
日本政府は世界各国に習い、影の機関を新設。

 多感な少女達が持つ力。
魔法少女とも変身ヒロインとも呼ばれる異能の戦士達『正義の味方』。
生まれながらにして特別な力を持つ彼女たちを統合的に運用する。
当然「年端も行かない少女を危険な目に――」等と
人道的見地からの反対意見も出たのだが、
その絶大な能力を放っておく手は無く、異例のスピードでその機関、特別防衛庁――
通称『特防』は新設された。
第一課から第五課が存在し、各課によって対処する内容が異なっている。

 秘密結社及び怪組織の犯罪を担当する第一課。

 妖怪及び悪魔の跳梁を担当する第二課。

 異星人からの侵略を担当する第三課。

 異世界及び異次元からの侵略を担当する第四課。

 そして特殊能力を持った少女達の調査及び勧誘を担当する第五課。

 他に様々な職員が影に勤務し、日夜日本の防衛を影から支えている。
 エーデルリッターはその機関の中の、
第一課に属する一つのチームであり、現在確認されている人数は一〇人。
彼女達は司法を超越した権限を与えられ、独自の行動をも取る事が許されている。
必要に応じて関係機関への協力を要請する権利も有する。

 怪人を擁する中小の組織が雨が降った後の筍のように生まれる中、
エーデルリッターは有無を言わさぬ迅速さでそういった組織を壊滅させていた。
それも一人が一つの組織を担当し、複数の組織を各人が分担するのだから当然と言えた。

 いかなる状況下でも単独で任務を達成できる力を持った少女達に
壊滅させられた組織の数は二〇を超える。
その中にはアクノス研究所が怪人を納入した組織も含まれている。
そしてそれらは決して小さな組織ではなく、中規模、又は大規模に順ずるものであった。

以上が阿部くんの長い説明だった

「あー阿部くん?」

「ごほんっ……えー、はい、なんでしょうか所長」

「前置きが長いよ。つまりその……なんだ。
 彼女等はちょっと厄介な国家公務員というわけだ」

 マヌケにも思える一言だったが、その場の誰も彼もが反論出来なかった。

「と、いうワケだけども、実際のところはどうなんだいヒルダ?」

 話の最中、ヒルダは微動だにせずに
所長の膝へともたれかかったまま眠っているように見えた。

ブリュンヒルデの可愛さは異常

「事実、ですわ所長」

「ふ~ん……」

「君の邪魔をした、エーデルリッターについて詳しい事は判るかな?」

 所長はヒルダの頭を軽く撫でる。

画像はイメージです。実際の騎士とは異なる場合がございます。

「はい。報告を受けた特徴から、私の邪魔をしたのはエーデルロート、
エーデルシュヴァルツ、エーデルヴァイスというコードネームを持っていますわ。
実力は今のエーデルリッターでも三本の指に入るといっても過大ではない表現です。
それが三人揃ったということは――」

「本気というわけだ」

 口端を歪めて所長は言った。

「ええ。三人揃う事なんてこれまで無かった事ですわ」

 それにしても、と阿部は思う。
何故このブリュンヒルデと呼ばれる淫魔はここまで知っているのだろうか。
最近所長が手に入れた玩具にしては、
相当自由な裁量を与えられている事からも、只者ではない事は明らかだった。

 別段驚いた様子も無い所長の反応。それを見ている阿部は思うのだ。


(また何か悪だくみを……)


「ヒルダ、彼女達の弱点っていうのは、あるのかな?」

「ありますわ」

 ヒルダは即断する。まるで良く知る仲のように、知っていて当然といった様子で答えた。

「なるほどね……そうだ」

(ほらきた)

 その場の思いつきではあるが、それが悪い方向になったことなど一度も無い。
ただ少し、仕事が忙しくなるというだけであった。
所長という立場にあって、常に直感で物事を判断してきただけに、
部下も別段それに不平も不満も上がらない。

「良い評価試験が出来そうじゃないかな?
そこまでの実力を持った彼女たちであるなら、そこそこ結果が楽しめそうだ」

 ヒルダの頭を撫でながら非常にイヤラシイ顔をしながら実に簡単に言ってのける。
だが、これから先は研究所にとっては大変な仕事になってくる。
新怪人のプランの決定、一週間おきに行うアクノス研究所のスポンサーでもある
阿久津社長への新怪人に関する報告書作成(これが最も大変な事だが)、
そして怪人の製造、調整等々。

何だか本格的な悪の組織っぽいぞ!(悪の組織です)

「まあ先ずは今製作中の怪人を使うことにしようか。残業は嫌だしね……」

 自分で言っておきながら、自分の身体は大切にする所長なのだった。

「早速だけど、浅谷君達を呼んできてくれるかな。
今後の検討をしなくちゃいけない。それと現在使用可能な怪人のリストを」

「了解しました」

 そして所長はニヤリと笑いながらヒルダを見下ろす。

「ヒルダ、君には今まで通り材料の調達をお願いするよ。
彼女たちが邪魔をするならそれでも良し。自由にやってくれて構わないよ」

 それを聞いたヒルダは、目を輝かせて所長への一層の忠誠を誓うのであった。



 昼休みの喧騒に紛れた校舎裏に三人の姿があった。
転校生を食事に誘おうとクラスの生徒達の誘いを何とか断って、
三人はバラバラに動いたように見せてここへ集まっていた。
すなわち、茜、麗音、美鶴の姿である。

「ボクはお腹空いてるんだけど?」

「初日はまずここで最初の打ち合わせをするって言ってたのを忘れたの? この脳筋」

「何だとこのツンツン女っ!」

「二人とも、声が大きいよ」

お前等仲いいな!

 いくら校舎の裏と言っても騒いでしまっては意味がない。
とくに昼休みは生徒がある程度自由に行動する事を考慮しなければならないのだ。

「それで、何か感じた?」

 美鶴が溜息をつきながら質問する。

「今のところは、何も……ただ、一人だけ。
 昨日事件に巻き込まれた娘が不思議そうな顔でこっちを見てたけど」

 葵の些細な仕草に、麗音は気付いていたようだった。

「べっつに良いんじゃない?
 正体隠す必要なんて無いんだしさ。禁止されてるわけじゃないし」

 茜が頭の後ろ手腕を組んで答える。

「あんたは馬鹿なの? そうそう簡単に正体を教えてたら動きが取り辛くなるじゃない」

「あー、馬鹿って言ったなっ!」

「だから、ここで騒ぐのは……」

 この三人は、ある共通の使命を持っていた。
それは彼女たちこそ『特防』が派遣した特命の生徒。
つまり、先日学校の屋上に颯爽と現れたエーデルリッターの正体なのだった。
単独で行動する彼女たちが三人も派遣される。
それだけでも理由が重大な事であると推察された。

「でも、茜の言う通り。他の生徒にも協力してもらう必要はあるかもしれない」

「その必要は無いと思うわ」

 美鶴は即座に反対した。

「その内、絶対に相手の幹部クラスが出てくるわ。
 そいつを捕らえれば、ある程度は判明する筈よ。
 こっちから色々動く必要なんて無いわ」

「……それまで、他の生徒には犠牲になれって事?」

 麗音は厳しい視線を美鶴に投げた。

「どの道、私達が全てをカバーできる事なんて出来ないわよ。
 仮に犠牲になったとしても、助けだせれば問題ない。そうでしょう?」

「ボクは麗音に賛成だけどな」

「あなたは黙ってなさいな脳筋。
 一般の生徒に協力してもらうって事の意味が理解できてるの?」

 視線も投じず、美鶴は吐き捨てた。
茜は注意された手前黙っていたが、キッと鋭い視線を美鶴に向ける。

「危険に巻き込むって事よ。麗音、あなたが言ってるのは、他の生徒は犠牲に出来ない。
 協力してもらう生徒は犠牲になってもらうって事なのかしら」

「事件を早期に解決する事が、犠牲を少なくする事に繋がると判断してる。
 その為には情報が絶対に必要だよ」

 やれやれと言ったように美鶴は首を振った。

「この際だから言っておくわ。私はあなた達の助けも、情報も必要ないわ。
 エーデルブラウの捜索、敵組織の殲滅、大したことはない任務よ。
 今まで通り好きにやらせてもらう、それだけよ」

 美鶴はさらりと言ってのけた。

「美鶴……一体なんの為に三人が派遣されたか、理解してる?
 目的が二つある事がどれだけ危険か」

 表情こそ変わらないが、麗音の声は明らかに怒りを帯びていた。

「教科書通りの事くらいならね。ただ、ハッキリ言って足手まと――」

茜「ネクタイ曲がってるよ」  美鶴「ありがとう、茜」

 言い終わらない内に、我慢の限度を超えたらしい茜の腕は美鶴の胸ぐらを掴んでいた。

「ボクはお前の事が大っきらいだけど、
 それは任務に出さないようにしてるんだ。だけど、限度がある」

 美鶴は無表情に茜を見つめ、茜の腕を振り払った。

「くだらないわ。仲間がどれ程必要だっていうの? 
昨日の事件から見積もっても、今までの戦ってきた組織以下の連中じゃない」

「先輩が音信不通、白昼堂々と気付かれずに生徒を拉致。
付近で起こる怪事件。これだけ揃って相手を過小評価するワケにはいかない」

 麗音の言った『先輩』とは、エーデルブラウの事だった。

青騎士はかなり強いらしいです

 エーデルリッター最強と称され、
麗音を含めた三人はエーデルブラウに訓練を受けている程だった。
その実力は一課の中でもずば抜けたもので、常に最良の結果を期待されている。
そのエーデルブラウが、三人が派遣される二週間前から音信不通となっていた。
常に定期連絡が義務付けられているにも関わらず、
さらにはエーデルブラウという存在が事件の深刻さを物語っていた。

 茜を片手で制しながら、麗音は美鶴を見ていた。
放っておけば、ここで取り返しのつかない喧嘩になりかねない。

「いくら先輩だからって、あなたこそ過大評価し過ぎているんじゃないの?
 それに、それくらいやってる組織なんて珍しくもないでしょうに」

 演技なのか、それとも本心なのか、
美鶴の言葉は相手を小馬鹿にするような響きが混じっていた。
茜を制する麗音の片手に強い力が加わる。
茜が今にも飛び掛ろうとする勢いだったからだ。

「……打ち合わせは終わりにしようか」

 顔を落として麗音残念そうに呟いた。
未だ憤懣やるかたない茜に、両手を組んだまま時間の無駄とでも言いたげな美鶴。
そう、派遣されたエーデルリッターの三人には弱点があった。
今まさに、その弱点がこの打ち合わせで露呈されたようなものだった。

「ふん……」

 美鶴が先に教室へと戻っていく。茜はそれに舌を出して見送った。麗音は溜息をつくだけだった。




 最後の授業が終了する鐘の音がスピーカーから聞こえてくる。

「ふぃ~終わったぁ」

あかね…

 葵は大きく身体を伸ばした。
そのままチラリと横目で確認するのは今日転校したばかりの麗音の姿。

☆葵にはこう見える☆

淡々と帰宅の準備を始めているようだった。
教科書も全て用意していたようで、見せてくれというイベントも無かった。
茜、美鶴の両名も同じようで、準備不足なものは何一つ無かった。
茜に限っては盛大に睡眠を取ったらしく、
授業中はひっきりなしに葵の背中からは気持ちの良さそうな寝息が聞こえていた。

(どうしよう、声をかけるべきか)

 葵は迷っていた。この転校生三人には興味がある。
だが変に意識をしてしまうせいでなかなか踏み出せない。

「ねーねー護法院さん」

「ボクの事は茜で良いよ。苗字で呼ばれるとなんか変な感じでさ~」

「し、白波瀬さんカラオケとかどうですか!?」

「――興味ないわ」

 等と、早速転校生には男子女子問わずに人が群がっていたのだ。

茜には女子が多く、美鶴には男子が多い。

だが美鶴に群がる男子の大半は失望することになる。
それはあまりにも素っ気ない美鶴の態度からも解る。
半ば馬鹿にしたような、そして殆ど眼中に無いように扱われ、
あえなく撃沈するケースが全てだった。

(えーい、迷ってても仕方ないっ 行動あるのみよ)

 もしかすると、他の生徒と一緒にどこかへ行ってしまうかもしれない。
どうしてだろうか、それは葵にとっては不愉快な事だった。

「い、十六夜さんっ」

 他の女子に話し掛けられそうになっていた麗音は葵を向いた。

「はい?」

「きょ、今日の帰り道は暇でしょうか?」

 帰り道が暇じゃない状況とはどういうものか、
そんな細かい事などどうでもよかった。先ずは第一歩を踏み出したのだ。

「えーと、一緒に帰ろうって事かな?」

 葵の意図を汲んでか、麗音が逆に質問する。

「はいっ、そうです」

 ガチガチに緊張しているのは何故だろうか。傍目からは酷く滑稽に見える。

「え~? 葵~今日は帰りに買物行くって言ってたじゃない」

 葵の友人達が、後ろから突然の事に不平を鳴らす。

「ごめんっ 今日はちょっと予定変更でっ」

 両手を合わせてお願いする仕草が何とも愛嬌がある。
葵は友人たちの間ではかなり好かれている存在だった。
今回も突然のキャンセルにも関わらず、友人たちは苦笑するのみで許してくれた。

「しょうがないな~、じゃあ、また今度ね」

「あ、うん本当にごめんね!」

 そんな一部始終を見ていた麗音にとっては、
なかなか断り辛い状況といってよかった。しかも勝手に物事を進められている。

「……良かったの?」

 と、麗音が聞いたのも、葵を思いやっての事ばかりではない。
ここまで一緒に帰ろうとせがまれるとは予想もしていなかったのだろう。
茜と美鶴が、他の生徒をいなしつつ、ちらりと麗音を見やる。

「ぜんっぜん平気です」

 吹っ切れた葵は強かった。戦闘でいうなら、間合いを詰めて肉薄してくる死兵といえる。

(うわぁ、麗音、困ってるよ)
 茜にとって、麗音が困惑する様子など初めて見るものだった。
ハッキリと困惑しているわけではない。常に冷静に物事を進める麗音の歯切れが悪いのだ。

「私は構わないけれど……」

 予定があるといえば、それで断れそうなものだった。
だが麗音にとってはそこまで熱心に言い寄ってくる
葵の誘いを無下に断る事が出来なかった。

美鶴に言わせればこれが甘い。

(馬鹿じゃないの……)

だが心が折れない漢もいる

 心の中でそう吐き捨てると、素っ気なく美鶴は立ち上がり、
スタスタと足早に教室を後にした。

「ほんとですか!? 迷惑じゃないですか!? うっはーっ」

うっはー☆

 麗音の心情を知らずや、一人盛り上がる葵。
だが、こういうのも悪くはない、と麗音は思っていた。
使命や仕事に縛られる毎日だけに、こんな些細な出来事がとても新鮮なものに感じる。

「じゃあ、ちょっとだけなら」

 とは後ろの茜の台詞である。恐らくは部活勧誘でもされたのだろう。

見学だけでもという誘いで、一緒に行くことになったらしい。
と、流れ上そうなったわけではなく、
茜は運動部関連から調査を開始しようとしているのだった。

(それじゃ、こっちはこっちで調査を進めるよ)

 軽く麗音に目配せした茜は、運動部員に連れ添われ、教室を後にした。
麗音はそれに対して目で応えると、葵の申し出を正式に受けた。
と、言ってもただ一緒に帰るというだけだが。

「それじゃ、帰ろうか」

 喜ぶ葵にそう告げて、麗音は鞄を持った。

「はいっ」

 しかし、どうしてここまで喜ぶのだろうか、今ひとつ理解出来ない麗音であった。





「あーっ!!」

 取止めの無い会話を続けて10分は歩いた頃だった。

「どうしたの?」

 突然大声を上げる葵。
麗音は葵の印象を茜に近いものと思っていたが、少々違うらしい。
宿題の話題をしていた矢先だった。

「現国の教科書とノート、置いてきたままでしたっ」

茜は馬鹿な子。葵はアホの子。という印象?

 このタイミングで思い出すのも凄い。

「す、すみませんっ 取ってきま――ぅ」

「?」

 葵は何かを思い出したようだった。

思い出したくない黒歴史ではない

そう、葵が体験した放課後の学校で起こった事件は、まさに昨日の出来事なのだ。

「――大丈夫、です。諦めます……」

(無理も、ないか……)

 麗音には葵の心境が解っていた。
恐らくは、また襲われるかもしれない、と。

「一緒に戻ろうか」

「そんなっ だ、大丈夫ですってばっ!」

 首をこれでもかというくらいに横に振るものの、葵にとっては嬉しい申し出だった。

(本当に何かあるかもしれない、でも、未だ学校には茜もいる……)

 もしもの時は自分が何とかすれば良い。麗音はそう判断した。

「さ、行こう」

葵ビジョンです。実際の映像とは異なる場合がございます。

 葵を促す麗音。

「い、良いんですか?」

 おずおずと、葵はそれに従った。
しかし、内心では一緒に戻ると言ってくれた麗音に感激せずにはいられなかった。

「あのぅ……」

「?」

 歩きながら、葵は鞄を抱え込んで麗音の顔を覗き込む。

「十六夜さんは、最近学校で起きてる事件、知ってますか?」

「……」

 どう答えようかと一瞬考えた麗音だったが、葵は構わず続けた。
麗音が理解していないと思ったのだろう。

「最近、生徒が放課後に消えちゃうんです……
ほら、神隠しって言うみたいですよね、こういうの」

「木山さんは、何か知っているの?」

「あ、私の事は、葵で良いですっ」

(名前……名前で呼ぶのって、茜と美鶴くらいだったっけ)

 葵は確かに知っていた。突然生徒が消える訳ではない。

親友達は夢だと思ってるぽい

昨日の恐怖の出来事は忘れたくても忘れられるものではない。

「……」

 相手の嫌な出来事を思い出させてしまった事に、
麗音は罪悪感を覚えたのか話題を転じようとした。
彼女は元々話し上手な方ではなかった。

「先生は何もしてくれなかったの?」

 葵は首を振った。

「学校で消えたかどうかも定かじゃないって。
 警察の人も色々話を聞いて行ったみたいですけど、
 こういう事件ってウチだけじゃないみたいなんです。
 人手が足りないとか、調査が追いつかないとか。
 しばらく学校で見張ってたんですけど、そういう時に限って何も起きなくて……」

(普通の生徒でも、そこまで内情を知ってる、か……)

 派遣された側の麗音にとって、そこまでの事情は当然知っていた。
聞きたかったのは、一般の生徒の視点であり声だった。

 信号で二人は停った。ここまで来るとあと五分で校門へ到着する。
反対側の歩道では、帰宅してくる生徒達が同じように信号で停まっていた。

 麗音は少し後ろを歩く葵を一度も振り返らなかった。

「ううん、ごめんなさい……そんな嫌な学校じゃないんですよ。
 十六夜さんは転校初日なのに、私ってば変なこと言っちゃって……」

「私は大丈夫。葵さんが謝る事はないよ」

 そう答えた後にしばらくの沈黙。信号が変わり、二人は無言で歩き始めた。




「護法院さん、どうでした? 是非水泳部に入部して下さいよ!」

「駄目よ! 護法院さんは是非女子柔道部に!」

「護法院さんはこれから陸上部の見学なんだから、ついてこないでよ」

何コレうらやまし…

 その頃、学校に残っていた茜は各部の生徒から引っ張りだこになっていた。
加減はしているものの、その身体能力とスポーツセンスは平均を大きく超えている。
女子バレー部で見学がてらに披露したアタックとジャンプ力、
瞬発力を目敏く見ていた生徒が広めたらしい。
本人の話では、走ることも泳ぐことも得意だという事で、
様々な部員が獲得に躍起になっているた。

「あははは……ど、どうしようかなぁ」

 流石の茜も対応に困っていた。
口は災いの元であり、根が正直な茜は隠し事や手加減があまり得意ではない。
この事態も身から出た錆と言ってしまえばその通りなのであった。

 その陽性な性格は自然と人を集め、
本人も賑やかな事は大好きだったが、この状況は度を超えている。腕を掴まれ、
服を引っ張られ、もみくちゃになっている。

「ちょっと、すぐには決められそうにないよ」

 と、現状は断ろうとしたのだが、
その後ろでは何と茜の及びもしない出来事が起こっていた。

「よーし、じゃあ、最初はグーよ?」

「恨みっこ無しなだからね」

荒ぶるジャンケン

 なんと茜という景品をかけてのジャンケンが始まろうとしていた。

「え、あ、ちょっとっ」

 茜の制止も耳には届かず、既に『あいこでしょ』が三回繰り返されていた。

「参ったなぁ……」

 ポリポリと頬を人差し指で掻きながら、成り行きを見守る事にした。
ここまで目立ってしまうとは予想もしていなかった、と言えば嘘になるだろう。
こんな光景を美鶴に見られでもしたら、何を言われるか解ったものではなかった。
そう思うと、早めにこの騒ぎを収集させてしまう方が良いに違いないと茜なりに判断したのだった。

「やったー!」

 どうやら勝負が決定し、茜の意思とは関係なく茜を獲得できたのは水泳部だった。

「しょ、しょうがない……」

「せっかくの逸材が……」

「ふっふっふ、いざという時の勝負運は強いのよ。
というわけでよろしくね護法院さんっ!」

 トボトボと他の部員が去っていく中、茜に手を差し伸べる水泳部員。
しなやかな身体に、流れるような蒼に近い黒い髪を肩口まで伸ばしている、
茜に似た元気の良さそうな生徒だった。

(あ、ボクは水泳部に決まったんだ……)

「よ、よろしくお願いします」

茜「タイヤキは頭からなんだ」 結衣「奇遇だな私もだ!」

 あはは、と笑って茜は水泳部員の手を握った。

「私は二組の菊池結衣、これでもエースなんだから」

 ニッと笑う結衣の表情は、驚くほど茜と気質が似ていた。

「えっとぉ、菊池さん」

「結衣でいいよ」

「あ、良かったぁ、苗字で呼ぶのってどうも苦手でさ。ボクの事も茜って呼んでよ」

 等と、すぐに間合いを詰めるのはどういう場合でも茜の得意技だった。

「うん。それで……何?」

「今日から練習?」

 屋内プール施設はこの学校には無かった筈だった。
今は暖かくなったとはいえ五月の初旬である。
まだまだ外で水着姿になるには早い時期だった。

 何のかんの言っても、
特命で派遣されただけに学校の間取りや施設など、
ありとあらゆる情報は全て頭に叩き込んでいる茜なのだった。
決して美鶴が言うような馬鹿ではない。
ただ少しだけ思考を行動が超えてしまうのが弱点なのだった。

「そうなるかな。大丈夫、春先だけど、ウチのプールはなんと温水なんだよ?
 屋内なら文句無いんだけど、練習できないよりは全然マシだしね」

 身体を伸ばして結衣は答えた。

「へ~ちょっとした温泉みたいなんだね」

 素直な感想だった。

「温泉かぁ、確かにそうだね。
でも、冷たくないってだけでさ、やっぱり寒い時は寒いよ。
それに、ゆっくりしても居られないしさ」

 そう応える結衣の表情は意外にも曇っていた。

「あ、ちゃんと練習しないといけないもんね」

 茜の応対に、結衣は首を振った。

「そうじゃないんだよ。
茜さんは、転校してきたばっかりで何も知らないと思うんだけど……
ちょっとね、色々学校で起こっててさ」

 何か申し訳なさそうに結衣が話し始めた。

「どしたの?」

 キョトンとした表情は、茜にしては上出来の演技だった。

「これ聞いちゃって、心変わりとかしないでね」

 結衣は先に釘を差す。
何とも卑怯な話だが、せっかく獲得できた部員を余程手放したくないようだ。
だが、肝心な事が一つ抜け落ちている。
それは茜は未だ承諾をしていないという事だった。
しかし、最早それを茜も結衣も気にしてはいない。

「勿体ぶらないでよ。何だろ、お化けとか?」

 茜は極力雰囲気を和らげようと試みたが、結衣の表情は深刻だった。
これから部員になるかどうかの茜を捕まえておいて逆効果では、
と流石の茜でも考えてしまう。

「まあ、お化けみたいなものかな。
 というか、お化けなら未だ良かったんだけど……
 今うちの学校で神隠しが起きてるって噂は、知ってる?」

 恐る恐る結衣は尋ねた。茜が不安になるのかどうかを心配しているのだった。

「へぇ~そんな噂があるんだ。
 知らなかったけど、ボクそういうのって結構平気な方なんだ」

茜「パンチングマシーンで500とか出すし」 結衣「………ニコッ」

 自慢げに語る茜に、あくまでも結衣は苦笑していた。

「良かったぁ、茜さんは平気そうで安心したよ。
 ウチの部員も、実は三人……いなくなっちゃってさ」

 さらりと重要な事を結衣は言ってのける。

「三人も?」

 茜にとっては把握済みの事項である。
誰が失踪したのか、リストには全て目を通している。

「さっきの新入部員獲得競争も、それと関係があって、さ。
 部員はやめちゃったり、失踪しちゃったりで、どこの部も大変なんだよ」

 なるほど、と茜は頷きながらも、「そりゃそうだろうね」と心では呟いていた。

「でも、良かったぁ、茜さんが入ってくれて。
 いなくなっちゃった三人、レギュラーだったんだ」

 ここに来てようやく結衣の表情が明るくなる。

「大丈夫! 我が水泳部の名にかけて、
 これ以上は誰もいなくなったりさせないんだからっ」

 ギュッと拳を握る結衣の後ろで、
一瞬だけ茜は真剣な表情でこれからの特務活動を考えていた。

結衣「私も500出せるように修行しよう(キリッ」 茜(結衣、貴女には負けない…)



…to be continued…






所長のひとりごと



所長「え、エロいシーンは!?」

浅谷「ないですよ」

所長「馬鹿な…」

浅谷「シュー様から頂いたテキストは以上です」

所長「これだけ期間あけておいて、無いじゃ許されないよ!
   あさったに君、キミが脱いでお客様にお詫びするんだ!」

浅谷「…しかたありませんね」

キミは当ブログを破滅させたいのか!?

所長「…もっとこう色気とかさ、色々出すモノがあるでしょう?」

浅谷「ヘアーは出しましたよ?」

所長「…うん、まあ、ね…」

やればできるじゃないか…

浅谷「今後もアクノス研究所をよろしくお願いします」
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この記事のコメント

画像のキャプションが秀逸すぎます。
思わず吹き出すことも一度や二度ではありません。
「画像はイメージです。実際の騎士とは・・・」には笑い転げてしまいました。
いよいよストーリーが動き出してきましたね。
どうなるのか続きが楽しみです。
シュー様、所長様、応援しておりますー。
2010-04-18 Sun 10:44 | URL | 舞方雅人 #zh5v9u1Q[ 内容変更]
第一話と言う事でそれぞれの性格が分かりやすく描かれていますね~。
葵がアホの子って言うのが可愛い…w
三人の内まず誰が堕ちるのか、
そしてそれからの展開等非常に楽しみですw

浅谷君潔すぎ…と言うか羞恥心0ですねw
堂々としてるのが凄いw
あっちゃんカッコイー(
2010-04-18 Sun 11:43 | URL | Mizuha #FPjcWNrE[ 内容変更]
うわあ・・・これはエーデルブラウさん堕ちフラグですね・・・

数の子スーツご使用ありがとうございま~す

2010-04-18 Sun 15:11 | URL | チノマナコ #AIlHpmOk[ 内容変更]
浅谷さーん!
俺だ!結婚してくれ!
2010-04-18 Sun 22:57 | URL | (´Д`*)ハァハァ #-[ 内容変更]
>舞方雅人さま
ソコを楽しみにしてくれているだけで、画像コメント書いてる甲斐がありますよw
気付いてくれない方も多いはずなので、気付いてくれるだけでも嬉しかったりw
これからエーデルリッター達をどんな展開が待ち構えているのか…
私も楽しみでしょうがない!

>Mizuha様
画像を作成している身としては、
葵は何かよくない道に目覚めてしまった気がしますw
エーデルの3人よりも目立ってしまって、私は色々と彼女が心配です。

浅谷君にとって裸など大した事ではないんですよw
というか、色々とずれてる方なので扱いが難しい…

>チノマナコ様
エーデルブラウはどうなったんでしょうね…
堕ちたとしたら、いつか3人の前に敵として現れる!?
今回、シルエットですが数の子スーツを使わせてもらいました!
カッコイイスーツをありがとうございます!

>(´Д`*)ハァハァ様
やめておきなさい!ろくな目にあいませんよ!
彼女と結婚するくらいなら、蛙娘と結婚した方が幸せになれますよ!
そもそも浅谷君が寿退社とか、絶対に許さないよ!
2010-04-19 Mon 22:37 | URL | アクノス所長 #LkZag.iM[ 内容変更]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010-04-21 Wed 17:34 | | #[ 内容変更]
>管理人のみ閲覧できます
次回!次回こそはかならず…
だよね…?(遠い目をしながら)
2010-04-25 Sun 14:28 | URL | アクノス所長 #LkZag.iM[ 内容変更]
>確認
通称『特防』
第一課…『ヒーロー戦隊』・第二課…『退魔師』・第三課…『防衛隊』
第四課…『時空警察』・第五課…『スカウト部隊』
>敵
『淫魔』ブリュンヒルデ=元『エーデルリッター』エーデルブラウ
てな感じかな?

>アイディア
「今製作中の怪人」にこんな名前『コードネーム』は如何ですか?
『邪竜』=ファフニール・『悪竜』=ニーズホッグ
『魔狼』=フェンリル・『邪狼』=スコール&ハティ・『妖狼』=ガルム
『悪蛇』=ヨルムンガンド・『妖鳥』=フレスベルグ
一様、『北欧神話』の『怪物』からです。
>エーデルリッター
ロート(赤)
シュヴァルツ(黒)
ヴァイス(白)
是非、『青』『黄』『緑』『紫』のエーデルリッターも『登場』希望。
検討のほど
2010-04-28 Wed 19:19 | URL | 鴉 #JalddpaA[ 内容変更]
>鴉さま
おそらく各課の職業はそのようなものだとおもわれます。
今のところ、登場はしないようですが…
それと、所長のお気に入りの彼女のことはどうかご内密にw

シュー様にお話を伺ったところ、
シナリオで登場する製作中の怪人のコードネームに、
一部シチュエーションが合うモノを採用するとのことです。
アイディアありがとうございます!

また、他のエーデルリッターが登場するかは詳しく教えてもらえませんでしたが
メインの3人よりもクセが強く、一軍にあがれない厄介者がいるそうですので
登場する可能性は大きいですね。
2010-05-02 Sun 01:07 | URL | アクノス所長 #LkZag.iM[ 内容変更]
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